国内最大級規模の
コンタクトセンターを
グループでシステム共通化。
グループIT企業だからこそ
できたプロジェクト

01

イントロダクション

日本総研は、SMBCグループのインフラシステムの効率化や品質の向上を目指し、2017年よりコンタクトセンター*のシステム基盤をグループで共通化するプロジェクトをスタートしました。グループ企業全体で日本最大級規模となるコンタクトセンターを、最先端のITで活性化する取り組みを紹介します。

*コンタクトセンターとは
いわゆる「コールセンター」「ヘルプデスク」などと呼ばれ、お客様からの問い合わせに対応する企業内組織の総称を指す言葉です。近年は電話やメール以外にも、SNSやチャットボットなど、多様なコミュニケーションチャネルが導入されるようになり、最先端のIT技術を活用した設計運用が注目されています。

MEMBER

※所属はすべてホスト・
情報基盤システム本部

  • Ide
    Ide 2007年新卒入社
    物理学科専攻

    本案件のプロジェクトリーダー。カード会社のシステム統合案件に従事後、2018年からコンタクトセンター共通化を推進する現部署の前身組織に配属され、グループ2社に対するコンタクトセンターの基盤更改案件を担当。現在はプロジェクトの全体管理を担う。

  • Taniguchi
    Taniguchi 2018年キャリア入社
    物理学科専攻

    コンタクトセンター関連システムの導入・運用案件全般の管理を担当。前職ではコンタクトセンターシステムの維持管理やグループ企業内システムの基盤構築に従事。

  • Edamatsu
    Edamatsu 2014年新卒入社
    コンピュータサイエンス専攻

    音声認識システムの導入・維持管理を担当。案件リーダーとして立ち上げからリリースまでを担う。現部署以前はグループ共通ポイント管理システムの基盤構築を担当。

  • Hirano
    Hirano 2021年新卒入社
    電気情報工学専攻

    主に音声認識システムの導入案件を担当。グループ内の企業各社と製品を提供するベンダーとの間に入り、円滑なシステム開発構築に従事している。2022年度からは一部の案件内で実開発業務を担当。

02

コンタクトセンターのグループ
共通化プロジェクトとは

今回のプロジェクトは、グループが推進しているインフラシステム共通化の「一丁目一番地」といえる取り組みですね。

Ide

はい。SMBCグループでは、グループ全体でコストを最適化する取り組みの一つとして、グループ各社が共通で利用できるインフラシステムの共通化についてさまざまな部署で検討されています。グループのITソリューションをリードする日本総研がその「旗振り役」を担当しているのですが、中でも私たちが担当するコンタクトセンター共通化プロジェクトは、その先駆けともいえる取り組みでした。どのグループ企業のコンタクトセンターでも組織構造が似ており比較的共通化がしやすく、効率化によるメリットも大きいと考えたのがその背景にあります。

Taniguchi

既存のシステムをグループ内で横展開するというケースはこれまでにもありましたが、今回のようにグループ全体で最適化を図るシステムを最初からつくるのは、ほぼ初めての取り組みです。各社にヒアリングを行うと、同じグループの金融機関といっても、各社のコンタクトセンターの構造やシステム設計は企業によって想像した以上に異なっていることが分かりました。

Ide

そこで、今回は共通化を図る最初のフェーズとしてシステム基盤(ミドルウェア)の共通化とシステム設計ガイドラインの統一を実施しました。いきなりあれもこれも共通化しようというのではなく、次回のシステム更新時にさらなる共通化を進めるための土台をつくるという側面を意識しています。

Taniguchi

また、新しい取り組みの一つとして、今回の共通システムの構築・運用の対価を「サービス利用料」としてグループ企業各社から毎月徴収する形にしています。いわゆるサブスクリプション制ですね。

Ide

これまではシステムを開発するとグループ各社にシステムを「納品」して委託制作費を徴収し、その後の運用は、業務によって都度運用費が発生するという料金システムだったので、大きく変わりました。システムを納品したら終わり、ではなく、各社と恒常的につながりを持ち、責任を持ってコンタクトセンターの構築・運用に携わっていくというわれわれの姿勢の象徴ともいえると思います。

本プロジェクトを推進する上で、どのような点に難しさがありましたか。

Ide

最初に実施したのは、情報収集です。各社のコンタクトセンターの運営状況を念入りに調査して、グループ各社すべてにとって品質向上につながる「共通化」の定義を徹底的に具体化しました。もっとも難易度が高かったのは、各社との合意形成です。今回は5社以上の企業が参加しているプロジェクトで、情報システム担当者から現場のオペレーターまで、本当にさまざまな立場の方が関わっています。コンタクトセンターで働く方々がシステムの変更によって不安を感じないよう、しっかりとご説明し、今回のプロジェクトが業務改善につながることをご理解いただく必要がありました。対話を繰り返し、何度も改善を進めた結果、最終的に無事リリースを成功裏に収めることができました。

Hirano

この共通化プロジェクトに参加したグループ企業の中には、今回初めて協業する会社もいくつかあり、各社との信頼関係の構築は業務を進める上で重要な要素でした。コンタクトセンターの構造そのものは確かにどの企業も似ているのですが、コンタクトセンターの運営方法は各社さまざまな考え方、価値観があり、おのずと業務内容は異なってきます。われわれとしてはできる限り各社の意向に寄り添う一方、共通化への理解を求めながら進めていく必要がありました。大変でしたが、どの企業も一緒にいいものをつくっていこうというスタンスを強く持ってくださっていて、それがとてもうれしかったですね。

03

自然言語処理やAIを用いて、
コンタクトセンター運営を力強
く支援する

今回システムの共通化と並行して導入された「音声認識システム」「リアルタイムナレッジ検索」について、詳しく教えていただけますか?

Hirano

音声認識システムは、お客様とオペレーターの会話をリアルタイムでテキスト化し、管理者やオペレーターのモニターに映し出すという業務支援システムです。会話を「見える化」することで、管理者が複数のオペレーターの通話状況を瞬時に理解できるため、管理者がサポートしやすく業務効率を高めることが可能です。

Edamatsu

私自身、音声認識技術は現部署に異動して今回初めて携わりました。とても興味深い技術で、今回採用した音声認識システムでは、例えば「感情分析」といって音声を通じてお客様やオペレーターが今どのような状態なのかをスコア化できるようになり、通話中のお客様は今お怒りなのか、オペレーターが冷静に話せているのかなどの情報が組織管理者の方と瞬時に共有できるのです。このシステムで情報を収集し、グループ全体で人材教育や組織運営に役立つ提案ができそうだと思っています。

Taniguchi

「リアルタイムナレッジ検索」は、お客様とオペレーターの通話内容をAIが解析し、問い合わせに関連する情報をオペレーターのディスプレーに表示させるシステムで、今回、シリコンバレーのスタートアップ企業などと当社が共同で開発しました。オペレーターがAIと協業することで効率を高め、さらなる顧客満足度向上につなげることを目指しています。

Hirano

私個人としては、自然言語処理技術を用いたソリューションという最先端の分野に携われるのは純粋にとても興味深く、実際に一部のシステムで実装も担当して非常にいい経験になりました。

音声支援システム イメージ 音声支援システム イメージ 音声支援システム イメージ
04

日本総研だからこそ、
「あるべき姿」に忠実な
提案ができる

コンタクトセンターのソリューションは、現在さまざまなベンダーが提供しています。
日本総研が手掛ける価値やメリットについて教えてください。

Ide

今回のようにグループ全体でシステムの全体最適を図るという取り組みは、日本総研だからこそできることだと思います。正しく全体最適の定義を設定し、実践しようとすると、すべての企業の要望には応えられません。グループ各社と対等な立場であるわれわれだからこそ、グループとしてあるべき姿を掲げ、各社の理解を得ながらプロジェクトをリードできると考えています。

Taniguchi

グループ各社とわれわれは「顧客-取引先」の関係ではなく、「仲間」です。だからこそ全体最適の観点からグループ企業の依頼を断ることもありますし、逆に必要だと判断すれば、新しい技術でも積極的に採用します。グループ全体やグループ各社にとって、本質的にベストなものを提案できる立ち位置にあるのが日本総研だと思います。

Edamatsu

お互いに仲間意識があるので、コミュニケーションを取る上で余計な緊張感がなく、一歩踏み込んだ提案をしやすい環境です。このような環境が、今回のように数多くのステークホルダーが関わる案件を合意形成に導く上で功を奏していると思います。

Ide

複数企業のシステムの立ち上げから運用まで、ほぼ同時に一気通貫で進行させている点も、自身の学びにつながっています。コンタクトセンターの構築・運用に関するメンバーの知見が短期間で増えていくので、成功事例をグループ各社に横展開しやすく、まさにグループ全体でシステムの品質向上に寄与できていると実感しています。

05

ITの力で、日本一、世界一の
水準を誇る
コンタクトセンター
をつくる

これからの本プロジェクトの展望についてお伺いできますか。

Ide

今回のプロジェクトで、日本総研がグループ各社のコンタクトセンターの構築から運用までを一元管理する体制が整いました。日本総研を通じて各社の担当者同士のつながりも強くなり、各社の事例を横展開し、新たな取り組みの検討や提案ができる土台が固まったと思っています。

Taniguchi

グループの全体最適を見据えた取り組みがこれから本格化していくと思います。すでに次回のシステム更改に向けて、活発な意見交換を行っているところです。

Edamatsu

2022年に、カード会社のコンタクトセンターで国内初の「コールバック予約システム」を導入しました。コンタクトセンターが混雑でつながらない際に、お客様へオペレーターから折り返しお電話を差し上げるシステムで、利便性向上に寄与しています。このようにわれわれから日本初、世界初の新しい取り組みをもっと増やしていきたいですね。

Hirano

グループ各社のコンタクトセンターを統合すれば、国内最大規模のコンタクトセンターを運営・維持していることになります。それはわれわれ自身の大きなやりがいにもなっていますし、また責任の重さも感じています。SMBCグループのコンタクトセンターが、日本一、世界一の水準となるよう、さまざまな面で尽力していけるよう頑張りたいと思います。